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【インタビュー】『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』はみ先生 「コミカライズの話、絶対釣りだと思ってた!」

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原作小説、TVアニメ、それぞれで盛り上がりを見せる『響け!ユーフォニアム』。とくにコミック版は、単行本第1巻につづき、第2巻の重版も決定するなど絶好調! 今回は、重版を記念してコミック版『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』を執筆されているはみ先生に、スペシャルインタビューを行った。コミック版が生まれるまでにはいったいどんなドラマがあったのか!? ※2015年の記事を編集し、再掲載しています

はみ

北の大地在住。
セーラー服がたくさん描けてうれしくてしょうがないクラゲ。
地球のまわりをめぐる星の化身の少女たちをやさしく描いた『少女サテライト』(芳文社)全2巻、好評発売中。

公式サイト:musica
Twitter:@hami_mi

絶対、釣りだと思ってた。

――単行本の重版、おめでとうございます!

おかげ様で、第1巻、第2巻ともに重版決定! 読者のみなさまの応援のおかげです!!

はみ ありがとうございます。……ホッとしました!

――昨年11月から連載を開始したコミック版『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』ですが、企画の相談を受けた時の感想などは。

はみ 最初はこれ、だまされてる系のやつかなって。釣りかなって。

担当 うさんくさかったですか……(笑)?

はみ あはは。わたし、そもそもアニメがすごく好きで、「小説のコミカライズ、しかも京アニさんでアニメ化も決まってるんです」と聞いて、んー、これはわたしの趣味嗜好を知った人が、私をだましておもしろがっているのかなって。

――たしかに、話ができすぎてる感はありますね。

はみ しかもわたし、京都に住んでいたこともあったし、吹奏楽をやっていたこともあったので、これはもう絶対、知り合いがわたしのことだましにかかってるって(笑)。

担当 編集部としては、「つぼみ」(芳文社)で連載されていた『少女サテライト』を読ませていただいて、今回のコミカライズにぴったりだと思い、お声がけしたので、京都にすまわれていたり、あと吹奏楽をやってらしたと聞いて、逆にびっくりしました。

地球のまわりを廻る、衛星少女たちの心温まるエピソードが満載。全2巻発売中!

はみ 互いにびっくりしあうみたいな(笑)。

――単行本第1巻に収録のあとがきによると、コミケ会場の京アニブースで、実際に『響け!ユーフォニアム』の映像が動いているところを見るまで、アニメ化が本当って実感がえられたなかったと、おっしゃってましたね。

はみ 会場についてからも、いつ「騙したやったぜ!」「釣ってやったぜ!」って言われるか不安で。

――コミケにさきがけ、コミック版『響け!ユーフォニアム』自体は昨年11月末から連載が開始していたんですけれど、第1話が公開されたのを見ても、まだ騙されているかもしれないって思ってたなんて(笑)。

はみ まだ信じないぞ!って思ってました。

「会場についても、まだだまされてると思ってた」って……どれだけ疑り深いんですか、はみ先生!

――実際に映像を見たときの感想というのが気になりますが。

はみ うわぁ……本当なんだーって。本当に京アニさんなんだーって。ちょっとプレッシャーも感じました。

はじめてのコミカライズは、問題だらけ!

――今回はじめてのコミカライズということで、オリジナル作品とは違った苦労があったかと思いますが、特に難しかったことや、思いがけず苦労したことなどございますか。

はみ 最初は、原作に書いてあることのどこまでをマンガではひろって、どこを使わないかっていうさじ加減わからなくって。

――実際にいま、単行本第2巻が発売され、物語も佳境へとむかっているのですが、そういったところはだんだんと慣れてきましたか。

はみ 今でもよく悩むのですが、ようやくマンガらしい表現というか、漫符を入れたり、ヌキのコマを作ったりだとか。ここまでしても大丈夫かなっていうのは、つかめてきたと思います。

――キャラクターデザインの段階から、原作の武田先生、原作の装画を担当されているアサダニッキ先生にも、はみさんのキャラクターたちは好評だったんですが、描かれていくなかで少しずつ自分のキャラクターになっていったということでしょうか。

はみ サンフェスの前後で、やっとキャラが動き出してきた!って思えてきて。たとえばサンフェス帰りの久美子と梓のおしゃべりなんかは、わりと…こうおもしろいっていうか、やれたかなーって。

初めて久美子が自分の意志を表した梓とのエピソード。なかなかみれない久美子のくだけた表情にも注目!

――たしかに梓のエピソードって、久美子もなんだかいい感じですよね。

はみ このくらいまで動かしてあげたほうがおもしろいなって思えてきたのはあります。

――会話劇というわけでないですけれど、会話主体でお話が進んでいくところも『ユーフォニアム』にはあるかと思います。マンガと小説という媒体の差ということも感じますか。

はみ それについては、今もどうしようって毎回思ってます。最初は、滝先生がきびしいことをいうシーンが、本当に難しいと思って。とくに第1話のラストシーン。どのくらいの緊張感を出せばいいのかが、ぜんぜんわからなくって。

ことあるごとに立ちふさがる滝先生は、吹部メンバー同様、はみ先生にも強敵とのこと。

――最初は部員たちの目からみると非常に厳しい、なんだったら嫌な人物に写っていたかもしれませんね。

はみ そうですね。最初の方は黒板の前で厳しいこといってるだけなので。

物語を彩る多彩なキャラクターたち

――徐々にキャラが動いてきてくれたということですが、最初からつかみやすかったキャラとそうじゃなかったキャラはいますか。

はみ つかみやすかったのは単行本第1巻のあとがきにも書いたんですけど、緑と秀一。この2人はすごい楽でした。なんにもしないでも、勝手に動いてくれます(笑)。

ころころと変わる表情に、とことんマイペースな緑。物語のムードメイカーとしても大活躍!

――逆につかみずらかったのはやはり……。

はみ 久美子! そりゃ久美子ですよ。久美子のことは、心情的にはすごい理解はできるんですけど、いざ主人公として動かそうとするとどうしようって。自発的に行動するキャラクターではないので、そこをどうやってマンガで描こうかは、いつも悩みます。

なかなか自分から動こうとしてくれない久美子。彼女がどう変わっていくのか、これからが注目ですよ! みなさん!!。

――キャラクターデザインの面で描きやすかったキャラなどは。

はみ 描きやすかったのは、優子とかは楽しくかけたかなって。逆に描きづらかったのは、これも滝先生(笑)。すごく描きにくいです。

――はみさんは、これまで少年少女をメインで描かれてきているのかなと思うので、30代以上の男性というのは、描き慣れていないということでしょうか。

はみ 慣れてないですねー。自分では全然描かなかったんです。滝先生は、わたしのまわりからは「厳しいんだけど正しいところがいいね」って評判なんですけど、その厳しさと正しさのバランスをどうしたらいいだろうって。

――秀一はどうでしたか。

はみ じっさい連載が始まるまで、この秀一と滝先生がかぶらないか不安でした。けれど、動かしてみたら全然かぶらなかったなって。登場する場面の雰囲気だったり、言うセリフなんかも全然違うキャラクターなので。よかったーって思ってます。

単行本第2巻収録のキャラクターデザインラフ。晴香部長以外にも単行本には、たくさんのキャラの未公開ラフを収録!

――部長は、かなりキャラデザ案があったそうですね。

はみ そうですね。出しましたよね、部長のデザインはいっぱい。晴香は言ってしまえば「普通なことが悩み」みたいなキャラなので、「普通」から外れてはいけないし、かといって「普通」を貫きとおすとモブになってしまうしで、どこらへんに落としこむのか、悩みました。キャラデザについては、第1巻、第2巻ともに巻末にかなりラフを収録しているので、ぜひチェックしてください。

吹部の残酷さ、そして思春期の女の子たちのリアル

――実際、はみさんも吹奏楽経験者ということですが、はみさん自身の考える原作小説『響け!ユーフォニアム』の魅力はどんな部分でしょうか。

はみ 吹奏楽部って独特の閉じてる感じというか、やっぱり女の子が多くて、ちょっと残酷なキリキリするようなところがあるんです。たとえば葵ちゃんが部活をやめてしまうシーン、どうしたらよかったんだろうって。吹奏楽部ってどこでもそれなりに人間関係がややこしいっていうか、その感じがすごくリアルだなって。

みんなを引っ張ってきた3年生の葵もまた、自分自身と思いと向きあえていなかったのだ。

――原作小説のファンの方たちや、TVアニメをみた現役の吹部員からは、吹奏楽部あるあるが随所に散りばめられているって声が非常に大きいのですが、はみさん自身の経験と重なるような場面はありますか。

はみ コミック版ではこれから描くことになるのですが、今の2年生に吹部を辞めちゃった子がいっぱいいるって、エピソード。わたしもある日部活に行ったら40人くらいいた部員が10人になっていたことがあって。

――ええっ! いったいどういった理由で。

はみ わたしの通ってた学校は、すごい弱小校だったんですよ。それでももっとバイトしたいとか、部活だけやってられないとか。そんな感じでみんないなくなりましたね。

――10人だと吹奏楽部として機能するかも怪しくなってくるレベルですよね。

はみ どうしようって(笑)。ちょうど夏のコンクールが終わったタイミングの三年生の引退に合わせて。

――それははみさん何年生のときだったんですか。

はみ わたしは2年でした。残ったのは1年生が5人に、2年生5人。

――部活はその後どうなったんですか。

はみ せっかく10人になったんだったら、10人でしかできないことをやろっかって顧問の先生が言ってくれて。冬ってアンサンブルコンクールがあるんですよ。なのでアンサンブルコンクールの練習したりとか、あとは春になって新1年生が入ってきたあとで、それまでなかった定期演奏会を開いてみたり。10人になったからこそいろいろ踏みきれたかなって。それはすごく思い出には残ってますね。

――じゃあまさに北宇治吹部の状況は自分に重なるっていると。

はみ わかるなーって、部分は多いですね。

――吹部特有の閉じた感じ、残酷な感じあるなかでも北宇治吹部の先輩たちはいい人たちがいて、見えている部分では円満に回っているかと思うのですが、こんな先輩がいたらよかったと思うキャラとかいますか。

はみ そうですね。香織先輩いてくれたら。優子のような狂信者っぽい後輩がいるのもわかります!

――はみさんはこれまで、百合作品も描かれてきたわけですが、『響け!ユーフォニアム』には百合っぽさを感じたりしますか? TVアニメ第8話は、各所で「キマシタワー!」だったわけですが。

すでに神回の声も多いTVアニメ第8話。コミック版では第11話「ほしくずシンコペーション」として描かれている。

はみ あーありますね。原作読んでいても「これは百合でいくのかな?」って、どう捉えたらいいのかって思うところもあったので。百合っていうか思春期独特の女の子同士のなんとも言えない雰囲気っていうのをすごく感じますね。

――たしかに思春期の女の子どうしの友情というのは、独特のものがありますよね。

はみ 女の子の友情ってその時、その時で切れてしまうことも多くって。だからこそその一瞬一瞬が深かったりすることがあるのかと思うのですが。一過性のものだからこそ深くつながりたいというか。

――そうした部分は、コミック版を読んでいても非常に伝わってきますね。

次回、はみ先生が、いかにして漫画家を志したのか? そしてアニオタを自称するはみ先生からみたTVアニメ『響け!ユーフォニアム』についてお話をうかがった!

©Ayano Takeda,hami/宝島社

※本記事は2015年6月16日に公開されたものを編集し再公開しています

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