『このマンガがすごい! comics 育児は続くよどこまでも…』 (はちや) ロングレビュー! 北の大地では、子育てすらも試される? インスタグラマー「はちや」さんによる、愛する息子に翻弄されまくりの2年8カ月の日々を、未公開エピソード満載で単行本化!
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話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『このマンガがすごい! comics 育児は続くよどこまでも…』
『育児は続くよどこまでも…』著者のはちや先生から、コメントをいただきました!
著者:はちや
我が家のてんやわんやが、このたび書籍化いたしました。いつも温かく見守ってくださる皆さまのおかげと、はちや家一同、感謝の気持ちでいっぱいです。
ロングレビューでは、描きおろしマンガも紹介していただきました。
レビューの方がおもしろい気がします(笑)。是非ご一読ください!
よろしくお願いします。

『このマンガがすごい! comics 育児は続くよどこまでも…』
はちや 宝島社
(2018年1月18日発売)
インスタグラムで人気の「はちや」さんの子育てエッセイが、コミックエッセイとして書籍化された。描き下ろしマンガも多数収録されている。
北の大地にて、妻であるご本人、夫さん、猫、そして小さな息子さんの日々をつづったかわいいタッチのイラストマンガに楽しいコメントが添えられている。
さて、子育ての前段階として、結婚があるわけだが、そのきっかけとは、「田舎暮らし」を叶えるため、であった! お気に入りだった里山の麓にあった空き家を借りるための条件が、「所帯持ちであること」だったからだという。
ロマンチックなプロポーズはなし。人生、そんなものかもしれない……。
あ、フォローしますと、夫さんは大変な料理上手(&DIY能力の高い、器用な男性)であるエピソードもあり、うらやましいかぎりです!

荒れ果てた空き家を自力でリフォームしながら暮らすうちに、ほっぺぷっくりなかわいい息子さんが誕生する。
子どもというのは、驚くほどに思い通りに行かないし、片づけても片づけても散らかす、モンスター級の破壊者であり、親の睡眠時間や体力を無限に奪う、なかなかとんでもない生き物である。
なのに、それこそがかわいいと感じさせてくれる。そのドタバタな日々を、楽しいたとえやクールなツッコミ、発想の転換で笑いにしてくれる著者のセンスもすばらしい。
子育てって大変そうだからやりたくない、という意見もよく飛び交う。その気持ちもうなずける。いやしかし、大変だからこそかわいい、というのもまた、真実なのだ。

相手を「寝かせる」ことだけに全精力を注ぐ夜(しかし、うっかりしたオナラひとつでリセットされる!)、歯磨きを全力で抵抗する息子さんをどうにかおさえつけて終わらせる、などなど、ネットで調べれば指先ひとつで大抵のことが解決できる時代とは思えない、野生に還る瞬間が毎日のようにあるのだ。
材木から積み木を大量につくったり、庭で野菜を収穫したりの素敵なスローライフに囲まれつつ、街に暮らす人々にも「あるある!」といいたくなる戦いが繰り広げられる。
そのなかで、子どもは育っていき、言葉が出ない頃の不思議な行動や、一語程度出てきたころの必死なコミュニケーションにもキュンとしてしまう。片言でしゃべりだした時期には大人の予想がつかない言動が出てきて笑い、それもまた、成長とともにあっという間になくなってしまう。
そんな日々のなかで、ふと感じる喜びと切なさは、何ものにもかえがたい。
なんといっても子どもが母親への無条件の愛を示してくれる瞬間が、たまらないのだ。

また、夫さんの観察記録もあり、生まれた当初は抱っこもおぼつかない状況から、だんだんに「パパ」になっていく過程がコミカルに描かれていく。最初から「イクメン」でなくてもいい、じょじょに「パパ」になっていくもの。それは「ママ」自身も同じことなのだな、とほっとさせてくれる。

永遠にこの大変な子育てが続くわけでもない、でも、ちょっと終わって欲しくない、そんな相反する気持ちを抱えるママ、もちろんパパにも、笑ってなごめるハートフルなエッセイだ。
<文・和智永妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集。とある学生街に在住し、いろいろと画策(だけ)しつつ、男児育てに追われる日々です。






