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【インタビュー】堀尾省太『ゴールンデンゴールド』不気味かわいい(?)“フクノカミ”のモデルは、あの国民的人気キャラクターだった!? そしてヒロインがじつは前作『刻刻』にも登場!?

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人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。

今回お話をうかがったのは、堀尾省太先生!

『このマンガがすごい!2017』オトコ編にランクインし、現在、第3巻まで発売中の話題作『ゴールンデンゴールド』!
田舎の島の少女・琉花が出会った“フクノカミ”が、人とお金を集める力で琉花や彼女の周囲の人間に富をもたらすものの、金などをめぐり島内に騒動が起こり始めるという、シリアスな展開が手に汗握る本作。
このマネースリラー『ゴールンデンゴールド』を手がけたのは、現在アニメが好評放送中の『刻刻』の著者・堀尾省太先生です。

今回、堀尾省太先生に『ゴールンデンゴールド』に登場するキャラクターや気になるシーンについてお話をうかがいました!! ちょっと不気味かわいい(!?)“フクノカミ”のモデルは、あの30世紀猫型ロボットだったことも発覚!?

<インタビュー第1弾も要チェック!>
【インタビュー】堀尾省太『ゴールデンゴールド』福をもたらすというより●●●●してしまう存在!? 謎のイキモノ(?)“フクノカミ”の正体に迫る!

著者:堀尾省太

広島県生まれ。高橋のぼる氏と能條純一氏に師事。連載デビュー作『刻刻』で一躍注目を集め、同作はマンガ大賞2011にもノミネートされた。著書に『刻刻』全8巻。単行本未収録の『刻刻 番外編 —300日後—』は各電子書店にて無料配信中。

オジサンの描く若い女の子の痛々しさがあんまり出てないといいなぁと願っています

――フクノカミのルックスが非常にユニークですね。

堀尾 居候キャラということで、ドラえもんから変化させたようなイメージですね。マスコットにふさわしいサイズというのも最初から考えていました。

日常生活の1シーンに溶けこむ、かわいいフォルム……ってそうかなあ!?

――一方、ヒロインの琉花はツインテールの女子中学生。

堀尾 的確な判断ができない年齢のほうがいいだろうと思って。頭がいいと早い段階で的確に食い止めてしまうので。

担当 経済的にも自立していないほうが勝手に動けないし。

――福山のアニメイトに行く交通費だけで、おこづかいが吹っ飛ぶくらいじゃないと。

堀尾 そうです。

同級生の男子に淡い恋心を寄せる琉花。素直に気持ちがいえない、いじらしい姿がとてもキュートだ。

――まだ子どもなんだけど、時おり大人っぽい表情を見せたり、好きな男の子に対するツンデレも絶妙ですよね。

担当 なんで女子中学生の恋心を描くのがこんなにうまいんだろうと、いつも思っています。失礼ですが、先生、オジサンなのに(笑)。

――ベッドで悶々と好きな男の子の好きな部分をランク付けするシーンとか、ニヤニヤしちゃいます。

好きな及川を想い、悩む琉花。こんな甘酸っぱい青春の裏で島は大変なことに……!

堀尾 でも、そういうところって男も女も変わらないところってあるじゃないですか。

――世の童貞たちがジタバタするのといっしょなのかな。

堀尾 そうです(笑)。

――琉花のルックスに関してはすんなり決まったのですか?

堀尾 当時の担当さんのひとりから「ツインテール、どうですか?」といわれて、初めて描いてみました。ツインテールのいい点は、多少デッサンが狂っても、遠目の絵でも本人とわかること。悪い点は、斜め後ろからのアングルだと表情が髪の毛に隠れて見えなくなってしまうこと。

――モデルはいるのですか?

担当 『刻刻』の最終回に出てきた女性がかわいかったので。「この子、主人公にどうかな」と。

堀尾 それでなるべく同じ顔に描くつもりだったんですけど、結果的にはあまり似てないですね。

――動かしてみておもしろいキャラクターですか?

堀尾 描きやすくはあるんですけど、なにせ対極的な人間じゃないですか。だからオジサンの描く若い女の子の痛々しさがあんまり出てないといいなぁと願っています。

ありえないものが自分の家に来た時の人間の反応をしっかりと描く

――物語は最新3巻に入ってますます広がりを見せていますが、最初から決まっている大きな枠があるのでしょうか?

堀尾 ほぼ、ないです。毎回の打ちあわせのなかで決めていく感じです。

――ここまで生みの苦しみもありましたか?

堀尾 そうでもないかな。いま中盤にさしかかったところなんですけど、ここからのほうがたいへんだと思います。『刻刻』も半分くらいまではかなり調子よかったんでけど、後半になるにつれてたいへんでした。

――自分でも予想外の方向に進んでしまっている部分もあります?

堀尾 最初はもっと小規模ななかで進んでいくイメージだったので、ネットで拡散されたり 警察が出てきたりっていうところまでは考えていなかった。こういうところから徐々に難しくなっていくんですよね。

島ではとうとう警察が出てくる騒動も。いったいどうなってしまうのか……!?

――作画に関してもお聞きしたいのですが、映像的なコマ運びが、ますます研ぎ澄まされていますね。

堀尾 映像的な部分を追い求めるところはあります。ただ、映画から云々というわけではなく、手法的には過去のマンガ作品からだと思います。僕が重視しているのはコマとコマのつなぎをスムーズにすることですね。

――動画的に流れるような表現がなされている1巻(第2話)の自転車のシーンには唸らされました。

担当 あれは『E.T.』ですよね。空は飛ばないけど(笑)。あと堀尾先生、『河童のクゥと夏休み』がおもしろいっていっていましたよね。

堀尾 水辺で何か拾ってそれが生き返るっていうのは、まんま『河童のクゥと夏休み』ですね。

逃げ惑う琉花と、そして見た目とは裏腹に足が速いフクノカミの臨場感が印象的なシーンだ。

――作品の背骨となっているテーマをあげるとすれば、何になりますか?

堀尾 “生き物の宿命”です。「貪欲なフクノカミをなんとかしなきゃ!」といっている主人公の琉花だって、日々、命を食べて生きているわけですからね。

――じっくりとお話を聞いて、色々と見えてきました。居候モノから始まったアイデアに、福の神、商店街、広島の島々といったピースが加えられ、堀尾先生自身にもまだ見えていない結末に向かって話が進んでいる。読者としてはワクワクしかありません。

堀尾 ありがとうございます。ありえないものが自分の家にきた時の人間の反応というものを無視せずに、しっかり描いているつもりなので、「自分だったら、どうするだろう」というふうに想いながら読んでいただければ幸いです。

――ありがとうございました。

フクノカミの登場で確実に変化していきつつある島と島民たち。琉花のおばあちゃんも……ってダレこれ!? 謎とスリリングさが加速していく!

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